050223  高速増殖炉開発に関するタスクホース会合2/18の議事録


先日(2/18)開催したタスクフォース(作業部会)では、1月に公表した「我が国の高速増殖炉開発に関する緊急提言」をフォローアップするための議論の第一回目を行ないました(議論のベースになった各種ペーパーはすでに全会員に配信済み)。当日は時間の制約上あまり突っ込んだ議論にはなりませんでしたが、その概要を柴山哲男氏が簡単にまとめてくださいましたので、お目にかけます。今後さらに議論を深めて行きたいと考えておりますので、今回出席できなかった方々も次回のタスクフォース会合(2/25予定)には是非ご出席下さい。ご参考まで。
--KK

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1 日時: 2005年2月18日(金)14時〜16時
 
2 出席者(順不同、敬称略):
      池亀 亮、小川博巳、奥出克洋、金子熊夫、小山謹二、斎藤 修、柴山哲男、田中義具、辻萬亀雄、林 勉、笛木謙右、益田恭尚、             松永一郎、吉田康彦

3 主要議論:
 (1) 柴山より資料「高速増殖炉の開発に関する追加検討事項(メモ)」(2月17日付で会員に配布済み)により概要を説明した。

 (2) 上記資料の主として第1項(総論)及び第2項(経済性)を中心に自由討議を行った。主要な意見は次の通りである。
  ・ 高速増殖炉の経済性については軽水炉との競合もあるが、石油価格との競合がどうなるかということの方が一層重要である。石油価格             は今後高騰の可能性があり(石井吉徳氏等の意見)、将来は競合し得る。 
  ・ 原油価格が1ドル高くなれば、発電コストは14銭程度上昇する。ウラン価格は1ドル高騰に対して3銭程度の発電コスト上昇になる。
  ・ 原油価格の見通しなどについて確立されたデータがない。米国にはDOEとは別にEnergy Information Administration=EIA)のような特              別の機関がまとめた公開データがあるが、日本では資源エネルギー庁などの資料でも過去のデータを使用している例が多い。どこかで                  権威のあるデータをまとめて発表するような組織・機関を日本でも作るべきで、そういうことも次回の提言で言うべきであろう。
  ・ 原油価格、ウラン価格などについて簡単なシミュレーションを行ってはどうか。石油とウランの価格変動の比較について、日本独自の立           場から大胆な予測を立ててみることも必要であろう。
  ・ 高速増殖炉については経済性のみでなく、資源論、環境問題、廃棄物、核不拡散などの観点からの評価も必要である。

 (3) 今回は特別の結論はなく、今後も討議を継続することとした。また、次回の政策提言を行なう場合には、上記資料の第1項(総論)及び第2項(経済性)あたりを中心にしてまとめることとして、それ以外の問題については別途さらに議論した上でまとめれば良いのではないか、また次回提言のタイミングについては、新長計策定作業の進捗状況も睨みながら夏あたりに公表することを目途にしたらよかろうという意見もあった。

以上


柴山 哲男
shibayama@mvh.biglobe.ne.jp