◆東海地震:浜岡原発、国会で警告 石橋・神戸大教授
 
      (毎日新聞  2005/02/23)

 29年前に「東海地震説」を最初に唱えた石橋克彦・神戸大教授(地震学)が23日、衆院予算委員会の公聴会に公述人として出席し、東海地震の想定震源域の真上にある中部電力浜岡原発について「東海地震で大事故が起きれば、首都圏まで放射能が達する“原発震災”となる恐れがある」と訴えた。地震学者が国会で警告するのは極めて異例だ。
 石橋教授は日本列島全体が地震の活動期に入りつつあると指摘、「複雑高度に文明化された国土と社会が、人類史上初めて大地震に直撃される」と述べた。浜岡原発については「中部電力は耐えられると言っているが、地震学者としては想定している揺れが不十分だと思う。万一、核分裂生成物が外部に放出されると、東海から首都圏に至る広大な地域に被害が及び、死者が10万人に達する恐れもある」と警告。「全国の原発の大地震によるリスクを評価し、危険度の高い順に段階的に縮小していくことが不可欠だ」と述べた。
 原発の耐震性については、国の原子力安全委員会が現在、分科会で耐震指針の見直しを進めており、石橋教授は分科会の委員。同原発など3原発をモデルにした独立行政法人・原子力安全基盤機構の試算では、同原発で地震によって重大事故が起きる危険性は、他の原発よりはるかに高い「40年間で2%程度」という数字が出ている。指針見直しでも、こうした確率論的な方法によるリスク評価を導入するかどうかが議論になっている。

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◆活断層の追加調査を指示 敦賀原発増設で保安院

    (共同通信  2005/02/23)

 日本原子力発電敦賀原発3、4号機(福井県敦賀市)の増設に伴う安全審査をしている経済産業省原子力安全・保安院は22日、予定地の半径30キロ内にある8つの断層について、活断層かどうかや、断層同士がつながっていないかの追加調査を原電に指示した。
 原電は1997−99年にボーリング調査など実施。原発の耐震設計に影響を与える活断層はないと結論づけて、昨年3月に原子炉設置変更許可を申請したが、最近の文献で、原電が否定していた活断層の存在が指摘されるなど相違点があり、最新の機器や手法で再調査することになった。
 追加調査は今年4月から約1年かけて行うため、安全審査が遅れる可能性もあるが、原電は「5年間の準備工事中に審査が終われば、2014年3月の運転開始予定に支障はない」としている。