050310  Re:「原子力はなぜ温暖化対策にはならないのか?」  脱石油は可能か?  (木村正彦氏の意見)

 
次のようなメールを木村正彦氏から頂きました。皆様の
コメントを求めておられるので適宜どうぞ。小生の蛇足的
コメントは末尾に。ご参考まで。
--KK
 
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                   木村正彦

 おはようございます。結論から言えば、先物取引の
対象となっている「石油」から早く足を洗うことです。

 今の原油価格は、需給バランスで価格が決まっている
とは、どうやっても説明がつきません。この石油価格の
乱高下は…。農産物ではありません。豊作・不作は、
ほとんどないはずです。OECD加盟国の生産調整は
あるかもしれません。

 日経にも商品面の「デイリー」の一番手に載っている
ように、投機の対象になっています。そんなものに、
エネルギーの根源である「燃料」を大きく負うことは、
前近代的な市場構造としか言えません。(その辺の事情は、
エネルギーフォーラム平成17年3月号の「特集 今こそ
必要!! 日本発 アジア石油製品価格指標」(pp.73〜
94)もご参考にして下さい。)

 その面からも是非『脱石油』を一層加速すべきである
と思います。30年前のオイルショックの時代のように、
石油に大部分おんぶにだっこの産業構造ではないと思い
ます。
 水力(マイクロ水力発電が面白い。例:電気協会報
    平成17年3月号の東電・事業開発部・部長、
    日本エネルギー・副社長の稲垣守人氏著の
    「環境に優しいマイクロ水力発電」(pp.14〜
    18)など)
 LNGコンバインドサイクル火力
 石炭火力
 地熱
 高温岩体
 軽水炉原子力
 高速増殖炉原子力
 核融合
 太陽光
 風力
 バイオマス
 燃料電池
 潮流       などなど、一杯あります。

 これらの研究開発・技術開発に、若者が高い志を
もってチャレンジしてくれることを、私は常日頃から
熱望しています。その支援に、微力ながら私も関わって
いきたいと思い、昨年末EEE会議の一員に加えさせて
いただいた次第です。

 石油が電力業界から死語になることを願う次第ですし、
現在、エネルギー業界で石油関連で生計を立てていらっ
しゃる関係者・企業には、新規事業の転換の支援策が
必要であると考えます。

 EEE会議の会員各位の先進的なご意見を拝聴できれば、
幸いです。今後ともよろしくお願い申しあげます。
 
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<蛇足的コメント>
 
脱石油は大賛成。しかし、日本では今や石油の用途は、電気のため
というより、産業(石油化学)、運輸(自動車等)、家庭(灯油
その他)の方が比重が大きくなっているので、電力会社だけの問題
ではないのではないでしょうか。そこが日本の温暖化対策上も
難しい点でしょう。石油が電力業界から死語になるときがきても、
石油問題はなくならないですね、とくに中東に依存している限りは。
--KK