050314  Re: FBR再提言案(第1次案)に対するコメント:  竹之下正隆氏
 
標記の再提言案(第1次案)に対する竹之下正隆氏からのコメントをご紹介します。ご参考まで。
--KK
 
***************************************************************
  
 
高速増殖炉開発に関する意見を下記のように考えます。
今回の提言は全く至当のことと考えますが、これを具体的に実行するにあたって肝心な問題点が看過
されているように思います。
それは「技術伝承」の問題です
「もんじゅ」は言うまでもなく「高速増殖炉」そのものが研究開発の段階にあることです。「もんじゅ」
の建設に当たってなされたR&Dや種々の委員会での議論等の諸活動は膨大なものがありました。このよ
うにして蓄積された貴重なノウハウや残された課題点を後進にどう伝えてゆくのでしょうか? 当時この
ような具体的活動に従事した技術者はもはや現場を離れたり、管理職になったり、増殖炉関連の仕
事量が減少したために担当業務が変わったりしております。さらに深刻なのは定年の問題です。すでに
退職した人もおりますが、これからはさらに続々と退職する人が出てくることでしょう。
技術者としては「もんじゅ」がどのような設計思想で設計されているか、課題は何かということを伝えて
いくことが非常に重要と考えます。「もんじゅ」の技術研究内容また開発の歴史をブラックボックスのまま
にして再立ち上げすることは絶対にさけねばならないと思います。さらに現実的に考えると、このような
「技術伝承」には当然費用や要員が必要になります。容易ではありません。
先ほど述べたように世代交代が急激にすすむなかもはや時間は残っておりません。早急に方向を決め
てその準備に着手すべきとおもいます。その際には技術者の参加を求め、具体的な現場の意見を取
り入れられなければ、いかなる計画も画餅に帰してしまうと思います。
                                     ーー竹之下正隆ーー