050509   ITER誘致合戦の結末はいかに?
 
日仏間で激しい誘致合戦を続けてきた国際熱核融合実験炉(ITER)の本体建設地問題については、カダラッシュで双方が合意に達したというフランス側からの報道と、これはフランス・EUの陰謀で、六ヶ所村の線はまだ生きているという文部科学省筋の報道が錯綜しており、中々微妙な状況のようです。
 
一方、ご存知のように、六ヶ所村への誘致計画については、ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊東大名誉教授と、長谷川晃元米国物理学会プラズマ部会長の連名で本年3月10日、「ITER の安全性には問題がある」として小泉純一郎首相をはじめ関係閣僚や、木村守男前青森県知事らに誘致見直しを求める嘆願書が提出されております。嘆願書の全文は次のサイトに載っています。(情報提供:下浦一宏氏=元関西電力)
 
http://aomori2003.at.infoseek.co.jp/koshiba.html
http://www.solitoncomm.com/profileJ.htm
 
 
また、著名な評論家の立花 隆氏も、『文芸春秋』の本年3月号に「21世紀日米技術戦争:日本の敗北〜核融合と公共事業」と題する長文の批判論文を発表しております。この論文の趣旨は、「効率無視の巨大計画が日本の科学技術を亡ぼす」というもので、もし本気にやるならば、現在のトカマク方式(磁気閉じ込め方式)ではなく、慣性核融合方式(レーザー核融合)で行くべきだと論じております。ご参考まで。
 
--KK