EEE会議(お知らせ:昨年のエネルギー安保会議の記録がHPに)...............2003/7/6

皆様
 
ちょうど1年前の2002年7月8日、緊急国際会議「エネルギー安全保障と地球環境:原子力の役割」と銘打ったハイレベルの国際会議が東京・大手町の経団連会館において開催されました。主催者は、小生が長年主宰する(財)日本国際フォーラムの「エネルギー環境外交研究会」で、当日は、中曽根元首相、ベーカー米国大使、尾身科学技術政策大臣(当時)、ウィンEU予算委員長、シアソン・フィリピン大使(元外相)などによる基調講演につづき、村田良平(元駐米大使)、秋元勇巳(三菱マテリアル会長)、近藤駿介(東大教授)、今井隆吉(元軍縮大使)、袴田茂樹(青学大教授)、森本敏(拓大教授)等々の諸氏---いずれも当EEE会議メンバー---によるパネル討論が行われ、出席した400名以上の聴衆に多大の感銘を与えました。
 
ところが、この会議の直後に、東京電力データ不正事件が突発したために原子力を取り巻く社会環境は激変し、その結果エネルギー安全保障問題や地球温暖化問題、そしてその中における原子力の役割、位置付けというような基本問題に対する人々の関心は急に薄くなってしまいましたが、イラク戦争を経た今日、イラン問題(とくに最近のアザデガン油田開発に関する米国政府の対日圧力問題)などで中東石油依存体質の脆弱性が浮き彫りになり、他方で東電の原発運転停止による大規模停電の可能性も懸念されるにつれて、我が国のエネルギー安全保障問題が再び重要視されるようになってきております。その意味で、1年前の会議の成果は、今後の我が国のエネルギー政策のあり方を考える上でその有用性を失っておらず、熟読玩味すべきものと思われます。
 
同会議の議事概要は、一部の方々には、昨年中に報告書の形で配布させていただきましたが、その後専門家や一般市民の方々から同会議についてのご照会がしばしばあり、その具体的な内容を知りたいというご要望が寄せられております。そこで、遅ればせながら、同会議の全貌を当EEE会議のホームページ(http://www.eeecom.jp) で改めてご紹介することにいたしました。ホームページのメニューで「講演会、研究会、国際会議等の記録」をクリックされれば、簡単にご覧いただけます。かなりの分量(99ページ)ですが、お暇な折に是非一度目を通して、ご参考としていただければ誠に幸いです。
 
金子熊夫 拝